「あの、」 「ん?」 「小さいころ……引っ越しとかしませんでした?」 「え? 引っ越し?」 「も、もしかしてなんですけど……小学生のころ、隣に女の子が住んでたとか……」 「あー、うんうん、引っ越した。女の子も住んでた気がする」 びっくりしたあたしは、暗がりの下、男の人をじっと見つめた。 小さいころの王子様とは、もちろん、背丈も顔も、成長した分、全然違うけど。 あたしと同い歳くらいの外見だし、 心配して声をかけてくれるような優しさはもしかして……。