「なんか、会ったことがあるような気がするんだよね。 最近とか……、もしかしたら小さいころとか。気のせいかなぁ」 あごに手を当てたその人は、記憶を辿るようにして空を見上げた。 淡いブルーのポロシャツの上で、明るめの髪がゆるい風に揺れている。 見え隠れしている左耳に、小さなピアスが光っていた。 うーん…… 見覚えなんて……ないなぁ。 「……たぶん、気のせいだと……」 声に出して、はっとした。 “小さいころ”っていうフレーズが、急に頭に引っ掛かって。