部屋についたあたしは、すぐに外に出た。 指輪を探すために。 「お願い。出てきて」 草をかき分けて、地面を這いつくばって。 必死になって探すのに、どうしても見つからない。 「はぁ……」 ため息をついて見上げたベランダの窓。 郁己くんの部屋のカーテンは、中の明かりを透かしていた。