「……お引っ越し?」 「うん。そうなんだ」 「……遠くに行っちゃうの?」 「うん。ちょっと遠いと思う」 「……」 「行かないで」とか「さみしい」とか、 小さいあたしには、王子様を引きとめる言葉なんて浮かんでこない。 ただ、きゅうっと苦しくて。 鼻の奥がツンと痛くって。 「……ふぇ……」 いつも助けてくれた王子様がいなくなっちゃう。 そう思うと、知らないうちに涙があふれてた。