――それなのに。 「お隣さん、お引っ越しするんだって」 夏の終わりのある日。 お母さんの言葉にびっくりしたあたしは、あわてて外に飛び出した。 お隣の家の前には大きなトラックが止まっていて、 帽子をかぶったお兄さんたちが、次々と荷物を運び出している。 外に出てきた男の子がこっちに気が付くまで、 あたしはただぼんやりと、その場に立ちつくしていた。