「も……もしかして、あたし、お泊りしたの? 郁己くんの部屋に」


「そんな感じ」


「うそっ。なんで?」


「覚えてねーの? って覚えてるわけねーか。ぐにゃぐにゃになってたからなぁ」



ぐにゃぐにゃ……って。


あ、そうだ。お酒。飲んで……それから。



「……寝ちゃったの? あたし」


「そ。ちょうど今みたいに。オレにぴったりくっついて」


「ぴったり? ……あっ」



言われてみれば。


タオルケットを間に挟んではいるけど……郁己くんの体の上でうつ伏せ状態だ。



「ご、ごめっ」



離れようとしたら。



「いいよ? もっとくっついてて」



にゅっと伸びてきた両腕に引き寄せられた。