隣のキケンな王子様!



「はあ……」


「そんなに落ち込むことないって」


「だってさ、いつもこんななんだもん」


「まあ、浴衣が無事だっただけ良かったじゃん」


「……そう思うようにする」



さっき買ったばかりの浴衣入りの袋を胸に抱いて、あたしはもう一度ため息をついた。



「楽しみだね、明日」


「うん……そだね」



……よし、気を取り直そう。


明日の夜は、花火大会だし。


気合入れて、浴衣も買ったことだし。