「違うもん。疲れてないもん。でも足が痛いのー」 「足ー? なんでー?」 「鼻緒がすれて皮がむけたー。しかもちょっと血が出たー」 「血ぃー?」 「うん。歩くのしんどいー」 「どれ、見せてみ?」 「わっ!」 非常口で鍛えられているのか、自転車といい、歩くスピードといい、素早い人だ。 いつの間にか戻ってきていた郁己くんに驚きつつ、下駄を脱いで、足指を見せた。 「ホントだ。痛そうだな、それ」 「うん。めっちゃ痛い……」