「もうすぐ着くから」 そう言われたおよそ1分後、自転車はゆるやかな登り坂の途中できゅっと止まった。 ……どこだ? ここ。 廻り、何にも無いんですけど。 「こっからは少し歩き」 「へ? まだ移動すんの?」 「そこの階段上るから」 「階段?」 郁己くんの指さす方向には、脇道がある。 その先に、石段が続いているのがぼんやりと見えた。