不良男子は溺愛体質

一緒にいたら、あいつのこと殴りたくなりそうだし……。


でも……花絵が俺を好きだと言ってくれるなら、もう諦められない。

もう……歯止めも効きそうにない。



俺の顔を見ながら、首を横に振った花絵。



「あ、あれは……違うの、急に抱きしめられて、それで……」



急に……?

あの男……やっぱ殴っときゃよかったな……。



「水城くんが田邊くんのこと殴っちゃったら、水城くんが悪くなっちゃうと思って……」



眉の端を頼りなさげに下げ、そう話す花絵。

そのあまりの可愛さに、抱きしめる腕に力を込めた。


花絵のこんないじらしい気持ちも知らずに誤解して……自分の情けなさに嫌気がさす。



「全部俺の勘違いだ。ごめんな」