不良男子は溺愛体質

なぜか、俺以上に驚いた様子の花絵。


……待てよ。

まさか、花絵の言ってる、好きって……



「……俺のこと、男として好きって言ってる?」



俺の言葉に、花絵はまた表情を歪めた。

笑顔を見ることが多かったから、泣いている表情を見るだけで胸が痛む。


花絵の泣き顔に、俺は花絵の気持ちにようやく気づいた。



何やってんだ、俺……。



「ごめんなさいっ……あの、これからも、友達として……」

「俺も」

「え……?」

「花絵が好きだ。花絵と同じ意味で」



まさか同じ意味だったなんか、思うはずないだろっ……。


逃さないように、花絵の華奢な体を抱きしめた。

戸惑っているのか、びくっと震える小さな体。



「だ、だって、さっき……」