不良男子は溺愛体質

急に抱きしめてくる田邊くんの方が、よっぽど怖いっ……。



どうしよう……。

嫌われちゃったかも、しれない……。


そう思うだけで、胸が張り裂けそうだった。



「杉宮さん……?」

「こ、来ないでっ……」



一歩私のほうへ近づいた田邊くんに、体がこわばる。

さっき抱きしめられた時……本当に、怖かった……。


水城くんに抱きしめられた時は、あんな恐怖、少しもなかったのに……。


私の表情を見て、驚いたように目を見開いた田邊くん。