ど、どうして……抱きしめ、られてるのっ……。


は、離してっ……こ、怖いっ……。


怖くて、声も出なかった。



「杉宮さんの力になりたいんだ。俺、杉宮さんが——」

「……おい」



教室に響いた、低い声。

田邊くんの抱きしめる力が緩んで、私は急いでその腕から逃れた。


声の主に視線を向けると、そこにいたのは……



「みずき、くん……っ」



鋭い眼光を田邊くんに向けている、水城くんの姿。



「何やってんだ、こんなところで……」