「俺としては、好都合だけど」

「え?」



ぼうっとしていたせいで、聞き取れなかった。

首を傾げた私を見て、水城くんはにやりと意味深な笑みを浮かべる。



「なあ、ステップアップしてみるか?」

「ステップアップ?」



どういう意味だろう……?



「ハグ、とか?」



水城くんの言葉に、ハッとする。



「なるほど……!リハビリだから、次の段階に進まなきゃいけないんだねっ」



手を繋ぐ次は、ハグ……かぁ。



「まあ、そういうことにしとく」



水城くんと、ハグ……。

少しも怖くはないし、平気そう。

でも……な、なんだろう。


胸が、ドキドキしてきたっ……。



「それじゃあ……えっと、ぎゅってするんだよね?」

「できんの?」