頭を、よしよしと撫でた。



「……なんだよそれ」



不服だったのか、水城くんは難しい表情をしている。

ふふっ、かわいい。


水城くんはとってもかっこいいけど、たまにすごくかわいい。

なんていうか、胸がきゅんってなる。



「なんかご褒美くれんの?」



え?

ご、ご褒美……?



「あっ、お菓子があるよ」



チョコレートをひとつ渡せば、水城くんが眉間にしわを寄せた。



「……甘いもんは苦手」



お菓子じゃないなら、どんなご褒美がよかったんだろう?



「あ、あんまり高価なものでなければっ……!」

「ご褒美は冗談。座れば?」



いつものように、優しい微笑みを浮かべながら空いている席をぽんっと叩いてくれる水城くん。