なんとか足に力を入れるも、生まれたての鹿のように、情けなくプルプル震えている。



「さっきからうっせーな……人の昼寝邪魔してんじゃねーぞ」



どうやらその鋭い瞳は私ではなく、喜んでいる彼のほうに向けられているらしい。

けど、そんなことは大した問題ではない。

苦手な男の人に挟まれているという状態に、もう頭の中はパニック寸前だった。


けれど、そんな私以上に顔を真っ青にしている睨まれた男の人。



「ひっ……!み、水城烈……!?」



みずき、れつ……?



「あ?いちゃつくなら他所でやれや」

「す、杉宮さん、行こう……!」



彼が、私の手を握ろうと再び手を伸ばしてくる。