俺みたいなどうしようもない人間を神と重ねるなんて、やっぱりこいつは重度の世間知らずかもしれない。というか、お人好し。


男として全く見られてなさそうな言い方に、ため息がこぼれた。

先は長そうだ……まあ、ちょっとずつ意識させよう。



「ほんとはね、たまに怖い人が後をついてきたりするから、ひとりで帰るの怖かったの……」

「は?」



花絵のカミングアウトに、思わず低い声が漏れた。



「お母さんにも心配かけちゃうだろうから、言えなくて……本当にたまにだから、気づいた時は走って帰ってたの。このあたり、治安は悪くないはずなんだけど……あはは」



不安そうに笑う姿に、相手の男への殺意が芽生える。

……どこのどいつだ。しばき殺すぞ。