隣の席のミナちゃんも、立ち上がってふんっと鼻を鳴らした。



「よし……行くわよ、いざ戦場へ!!」



せ、戦場?

水城さんのところに行くだけだけど……と、苦笑いを返す。

ふたりで教室を出ようとした時だった。



「おい筒井!どこに行こうとしてるんだ!!お前は補習だぞ!!」

「え……」



筒井とは、ミナちゃんの苗字。

ミナちゃん、補習だったの……!

ミナちゃんの顔を見ると、忘れていたのかあからさまに「しまった」という顔をしていた。



「わ、忘れてた……」



あはは……。



「先生!今日は見逃して!!大事な用があるのよ!!」

「補習より大事な用があるか!!」

「くっ……このハゲ……」

「誰がハゲだと……!!」