校舎の中に入ると、自分の心がずんと重くなったのを感じた。
3階にある自分の教室へ向かう階段も、1段のぼるたびに足に鉛がどんどん追加されていくように重くなる。
教室に近づくにつれ、呼吸が震えた。
…その理由を私はちゃんと知っている。
呼吸を落ち着かせ、少し震えた手でぎゅっと握りこぶしを作る。
そしてガラガラと教室のドアを開けた瞬間から、また1日という途方も長い時間の悪夢が始まった。
クラスメートは私が教室に入ってきても気にもとめない。
まるでただ葉が窓から教室に入ってきた、というように。
…このクラスでは、私は”空気”だった。

