それでも君に触れたくて。


「えっ…なんでっ!?…何かの手品!?」





自分の手を上下に動かして何回桜庭くんの手にのせようと思っても通り抜けてしまう。





顔を上げて桜庭くんを見ると、






「ね?言ったでしょ?」





って少し得意気な顔をした。






…ほんとにこの人、幽霊、なんだ…。








そう思うとちょっと怖くなってきた。








呪われたり、とかするのかな…。






なんだか不安になってきて桜庭くんを見ると








「呪ったりとかそういうのはないから安心して。」







って言われた。








その言葉にホッとして、私は先ほどから気になってたことを聞いた。









「えっと…桜庭くんはなんでうちにいるの…?」






この世に未練を残して死んでいった人は幽霊になるって聞いたことある気がするけど…。







「この世に…未練があるから、かな。」








桜庭くんはぽつりと呟いた。








「未練…?どんなの?」







これが分かれば桜庭くんは成仏できるかも…!って思って聞いてみると、桜庭くんはニヒルな笑みを浮かべて







「秘密。」






とだけ言った。








えぇっ…秘密って何!?








「お、教えてよっ…どういうことなの?」








「んー、まぁとにかく、美咲は俺が守るから大丈夫ってこと。」







意味わかんないし、話が変な方向に逸れてるし___!?