それでも君に触れたくて。


…我ながらかなりひねくれてるかも。





フォークでケーキを一口サイズに切って口に運びながら苦笑する。








ケーキは口に入れた瞬間、クリームがふわっと甘ったるく広がって、いちごの甘酸っぱさが鼻から抜けた。









今の私には、このクリームの甘ったるさもいちごの甘酸っぱさにも正直嫌気がさしていた。








「ケーキ、美味しくないの?」







突然後ろから声が聞こえ、勢いよく後ろを向くと、私と同い年くらいの男の子がいた。






え、誰…?






「あの…どちらさまですか、?」







声は震えて掠れたけど、どうにか絞り出す。







「初めまして、春野美咲さん。」









「俺は桜庭瑞希。…多分幽霊。」










多分…








__幽霊!?