ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語

「いいのかー?
俺、言っちゃうかもなー……にんにん」

ぎゃっ!
院長室で、何てこと言うんだよ⁉︎

くそう。
…仕方がない。
もう何十回、いや何百回としてきたことだ。
特訓終わりの帰り際に。

「……わかったわよ。」

渋々とテーブルの反対側に周り、彬良の側に行く。
昔は、ブレザーの両襟だった。
今は白衣の両襟をギュッと引き寄せて、彬良を屈ませる。
上を向いて目を閉じる私。
これが3年間の定番スタイルだった。

ん?あれ?なんで何もしないの?

「……彬良?まだ?」

目を閉じたまま聞いてみる。

すると、後頭部に掌をやり、深く口付けてきた。

「ん!ん、ん、ん〜〜!」

ちょっと!激しいよ!
懐かしい、彬良の唇だけど…
これは、大人のキスだ…



コンコン
「失礼しまーす!…うわぁっ!
し、失礼しました〜〜………じゃねぇ。
お、お前ら、何やってんだ!
こんなとこで〜」