ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語

「…とりあえず、健心に会わせろ。」

「え、なんで?
ちょ、言わないでよ?くノ一カフェのこと。
あの子は何も知らないんだから。」

「何言ってるんだよ!
毎晩遅いんだろ?不自然だ。
それに、お前が言うように、目標金額が貯まったら、なんて言うんだよ。健心に。」

なんだそんなこと。

「それはね、フランス語のマンツーマンレッスンを引き受けてる、って言ってあるの。
ほら、スタバとかでよくお話するだけの英会話ってあるじゃない?
英語だと、ネイティブ講師が普通だけど、フランス語ならそんなに講師が多いわけじゃないし、不自然じゃないかな、って。

それに、お金は貯まったら宝くじ当てたって事にするつもり。
100万くらいなら、大喜びしても、大ごとにならないでしょ。
大丈夫、大丈夫!」

「ダメだ。……健心に会わせろ。
その後のことはそれから考える。
じゃなきゃ、今すぐ父さんに言う。
安心しろ。口止め料さえ貰えば、健心には言わないから。」

く、口止め料〜⁉︎

「なにそれ!
私、今カツカツの生活してるって言ったよね⁉︎
そんな私から、お金取ろうって言うの?
彬良、鬼だよ!」

「なにも、金を払えとは一言も言ってない。」

え、でも口止め料っていったよね?

「……前と同じだ。
わかるよな?」

それって…もしかして……。