ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語

「ねぇ、見逃してくれないかな?
目標金額貯まったら、すぐ辞めるから。」

でも、彬良は簡単には頷いてはくれない。

「本当はね?もっと手っ取り早く高収入得て
さっと辞めるつもりだったのよ。
でも、私、この容姿でしょ?面接落ちちゃってさー。」

「高収入?面接?……一体なんの話だ?」

「だからー、普通はこういう時、キャバクラとか水商売のお店で、高収入得るのが、妥当じゃない?けどね、言われちゃったのよ。
『ごめんね?うち捕まっちゃうよ』って。
失礼でしょう〜?
どうせ、高校生にしか見えない、って言いたかったのよ。
くノ一カフェなら、マスクしてるし、私みたいなキャラでも全然平気。
語学を考慮してくれて、普通のカフェよりはずっと給与もいいしね。」

「…な、な、なんだと?
キャバクラ⁇そんなとこ、行ったのか⁉︎」

「面接受けただけだよ。」

大袈裟だなぁ。
相変わらずカタブツなんだから〜。

「ね、今度優待券貰ってくるから!
見逃して?」

可愛く両手のひらを前で重ねて、お願いしてみる。

「ゆ、優待券……」

あら?好感触⁇

「じゃ、そう言うことで!」

「待て!見逃すわけないだろ⁉︎」

…チッ。ダメか。