ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語

顔を真っ赤にした灯里が、プイッと顔を横に向けながら隣に座った。
昨日より、位置が近い。

昼間はあんなに食欲がなかったのに、
弁当を食べ始めると止まらなくなった。
一気に食べ終えて、お茶を飲む。

「…そんなにお腹空いてたの?」

「うん…そうみたいだ。
すごく美味かった。
ごちそうさま。」

「…どういたしまして。」

よし、これからだ。
ちゃんと話すぞ!

「あか…「彬良、話があるの。」」

俺の言葉は完全に遮られた。

「昨日の話。
…昨日は冷静でいられなくて。
でも、ちゃんと話し合わないと、
このままじゃダメだと思って…。
突然来てごめんね?」

「いや、俺も仕事終わったら、灯里の家に行くつもりだったから。」

「え? そうだったの?」

「俺も、色々言葉が足りなくて、ちゃんと話さないとダメだと思ったから。」

「そっか……。」

そこで、お互い黙り込んでしまう。

「彬良…先に聞いてくれる?」

「灯里……俺、良い話しか聞きたくない。」

「フフフ…それはどうかな。

……昨日、大学の時のこと、ずっとわからなかったことがわかって、私混乱したよ。
まさか、彬良がそんな勘違いしてると思わなかったし。勘違いが原因で離れて行くなんて考えもしなかった。」

「ごめん!」

「うん…。
でもね、やっぱり、彬良が他の女の子達のところへ行ったのは許せないの。
多分ね、一生許せないと思う。」

「あ、灯里っ!」