ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語

「ご、ごめん!
俺、そんなの考えつかなくて、見たまんま、
付き合ってると思って……」

絶句だ…。
え、じゃあ、入学してすぐ無視されたのって………

「……彼氏ができたと思ったから、無視したの…?」

「お、俺……
めちゃくちゃショックで…。
灯里が他の男選んで、俺を裏切ったんだと思って…。
いや、別に何も約束してなかったし、裏切られたわけでもないけど。
俺がヘタレで何も言えなかったから、愛想尽かしたんだと……。」

「………それで、他の女の子と付き合いだしたの?」

あの頃、いつ見ても女の子といた。
それも、次から次へと違う子と。
あれは……私が裏切ったと思ったから…?

「……ごめん。」

……………まさか、そんな理由だったなんて。

……もう、今更どうしようもないことに
感情の持っていきようがなくて……

「…っ………」

「ごめん!本当にごめん!
……な、泣くな!
いや、俺が泣かしてるのか。
俺が、確かめれば良かったんだ。
腐ってないで、ちゃんと灯里に確かめれば…」

やっと、わかった…
私から離れた理由が。
でも…それはあんまりだ……。

涙が次から次へと流れてくる。

「……わからなかったの…
どうして彬良が突然離れていったのか…
私が1番近くにいたはずなのに……
私が勘違いしてたの?
それとも、私が何かしちゃったの?
……何度考えてもわからなかった……。」

「…ごめん。灯里は何も悪くない。」