ああ、終わった。



そんな風にトロトロしているチョコは、“あの時”を思い出させる。



想像しただけでも気持ち悪い。



慌てて頭をブルブル振って、その事を頭から追い出した。



「そっかー、チョコフォンデュかー」



「そうなんだよね、蓮さんは昔っからあれが好きだから」



ということは、毎年チョコフォンデュで誕生日を祝ってもらっていたのだろう。



それに水を差したくはない。



それに、私だって、10年前までは、



ーチョコフォンデュで誕生日を祝ってもらっていたんだから。