「なんかごめん、毎度のことだけど、遥がうるさくって」

「いやいや、全然! むしろ賑やかでいいじゃん!」

「そ? ならいいんだけど。俺、飲み物取ってくるわ」

拓の部屋来るの久しぶりだなぁ。

相変わらず、スッキリした部屋。

私の部屋みたいにゴチャゴチャしてない。

「あっ、喜菜ちゃん?」

パッと振り替えるとそこに、遥ちゃんが立っていた。

「あれ、遥ちゃん。ん? ここ拓の部屋だよね?」

「そだよ。私が勝手にはいってきてるだけ。」

「そ、そうなんだ。何かあったの?」

遥ちゃんと私が、拓の部屋で喋ってるなん
て、なんだかおかしな光景。

「ううん、別に何もないんだけど。喜菜ちゃんって、拓と付き合いだしたのぉ?」

「えっ! えっと、な…なんで…?」

「あっははは、喜菜ちゃん、わっかりやすーい! あはは」

どう返事をすればいいのかわからない。

「おい…遥。勝手に入んなって。」

「拓っ。」

いいタイミングで拓が帰ってきてくれた。

ふぅ…助かった…

「じゃ、私は退散するから。ごゆっくり~」

そう言って、遥ちゃんが出ていった。

「喜菜。遥になに聞かれたの?」

答えにくい質問だなぁ…

「んーっとねぇ、えっと、そうそう! 今日の晩御飯なにかな~、って話してたの~」

「喜菜、ウソつくのへたすぎ。どうせ、俺と付き合ったかとか、そういう類いだろ?」

はは…、バレてる…

「んー、まぁそんな感じ。ところで拓。明日の数学って持ち物なんだっけ?」

「おいっ、はなしそらしただろっ。ま、いっか。持ち物? えっと、教科書、プリントファイル、ノート。だと思うけど。」

ほんとは、数学の持ち物なんてどうでもよかった。

ただ、拓と付き合ったか聞かれたっていうことを拓に対して言うのが照れ臭くって。

「教えてくれて、ありがと」

「あぁ。ってか、喜菜がお礼言うととなんか不気味。」

「どこが不気味なのよぉーっ! ひどいっ、拓。」

「はははっ」