《喜菜》
「拓、今日は遥ちゃんいるの?」

さすがに、誰もいない家に入るのはいろんな意味で気が引ける。

「遥? あぁ、いるよ。たぶんだけど。」

いるんなら、いいんだけど。

「ほら、はいって」

「お邪魔しま~す」

拓の家に来るの久しぶりだな。

「あれ? 喜菜ちゃん? 久しぶりだね~」

「遥ちゃん! おっきくなったね~」

「まぁ私も中2だしね」

リビングで遥ちゃんがくつろいでいた。

少し見ないうちに、遥ちゃんも大人っぽく
成長していた。

「…ていうか、どしたの? 急に来て。あ、も・し・か・し・て! 拓、喜菜ちゃんとくっついたの?」

「お前っ、兄貴に対して呼び捨てはないだろ」

「あー、否定しないんだぁ?」

ふふっ、この二人の会話も相変わらずだなぁ。

「もういいっ! 喜菜っ、俺の部屋行こ」

「もぉ~、照れちゃって~! 勢い余ってやりすぎないようにね?」

「妹にそんなこと言われる筋合いは一切、ないから! お前こそそろそろ彼氏作れば?」

なんか…、普段から二人ともこんな感じで。

でもそれがいいコミニュケーションになってるっていうか…

いいなぁ、兄弟って。

私は一人っ子だから、憧れ?的なのがある。