《喜菜》
「んー! おいしー!」

「冷たくねぇの?」

「いや、冷たいけどそこが美味しいんじゃんっ。」

ほんっとに美味しい。

普段自分では買えない、ちょっとお高めのアイスクリーム屋に来ている。

値段が高いとやっぱ味も違うって感じてるところ。

「そんなことはどうでも良いんだけど。…その…喜菜が可愛いっつうか…その…」

えっ?

そんなこと感じてくれてるのっ…!

嬉しいっ。

「エヘヘ、拓、だぁーい好きっ!」

拓に抱きつく。

「ちょ…喜菜。みんな見てんぞ」

「えぇえええっ?」

慌ててまわりを見ると、私たちのことをまわりの人がじっと見つめていた。

やだ…

恥ずかしっ…!

バカップルなんて思われちゃったりしてるのかな…?