《拓》
「んで? ご褒美何にするか決めたのか?」

「えっとね、まだ迷ってる…。」

「甘ーいキス…とか?」

冗談めかして言ったけど、半分本気。

「あっ、甘…! もおっ」

「なんて、冗談だけどな。」

どんどんと左右の拳で俺の胸を叩いてくる、喜菜。

はぁ、可愛すぎる。

よく今まで我慢できたな、俺。

「ほら、はやくご褒美決めろよ」


「んー、じゃあ、アイス食べに行こっ。」

「ダブルでも良いけどサイズはMまでな」

「全然良いじゃん! やったー」

こんなんで喜んでくれんのか。

「あ、そう言えばネックレス。着けてくれてる?」

「当たり前だよっ。ほらっ、毎日着けてるの。」

そう言って、ネックレスを見せてくれる喜菜。

「ありがとな、着けてくれて。」

「なぁに、拓。今日なんかおかしいね。」

「別になんもねぇよ。行くぞ」

「そぉ? ま、いっか。行こ~」