《喜菜》
「え…喜菜、今なんて?」

「だから! テストの結果帰ってきたから、見てってば」

今まで、テスト結果を親に見せたことなんてなかったから、お母さんはものすごく驚いている。

「そう言うんなら、喜んで見さしてもらうけど…」

私はテスト結果をお母さんに見せる。

「え…、ちょっと待って。先生、返す相手間違えてるんじゃない?」

「間違えてないよ! ほら、小田原喜菜って書いてるでしょっ。」

「で、でも…全教科65点以上なんて…信じられなくて…」

失礼ねぇ…

自分の娘を信じなさいよ。

私だってやればできるんだから。

「まぁ、私も自分で驚いてるんだけどね。」

「でもなんでいきなり…こんなに点数があがったの?」

「あ…、それはね、実は、拓が教えてくれたの。」

「えっ? 拓ちゃんが? 拓ちゃんって頭よかったっけ?」

拓は、それなりに頭良いんだよ…

学年でも10位以内には入ってるし。

「まぁね、拓は頭良いから。」

でもっ。

そんなことよりも!

国語以外は全部70点以上だなんて。

嬉しいっ。

ご褒美何にしようかなぁ。