《喜菜》

「これは…どういうことだ?」

「え…っと、それは私のテスト…ではないでしょうか?」

今、ちょっとまずいかもしれない。

実は、拓が私の家に来たとき、部屋に隠していたテストが、バレてしまったのだ。

「んなことは、わかってんだよ。この点数どう考えてもヤバイと思わねぇか?」

「えっと、43点って私にとっては良い方で…」

「お前なぁ、明日から、何あるかわかってんの?」

「き、期末(テスト)です…」

これは…流れ的に…

「そうだ、わかってんじゃねぇか。というわけで、今日これからみっちりテスト勉強だ。」

「た、拓様。それだけはご勘弁を」

「勘弁なんてするわけねぇだろ。ほら、文具出せ。」

「…はぁい。」

渋々、教材と筆箱を取り出す。

「…テストで70点以上とれたら、ご褒美あげるからな。」

えっ?

ご褒美!

超やる気が出る言葉!

「いいのっ…? 私、頑張るから!」

「へいへい、ほらさっさとやるぞ。」