幼馴染みの存在は

《拓》
…俺、どうすればいいの?

喜菜は、なんだか俺のこと避けてるし。

俺は、女子に嫉妬。

これ、お互いに甘えてるってことなのか?

「あぁ~!もう、どうすりゃいいんだよ!」

「も、森本?大丈夫かよ?」

「なんか、最近つかれてんの?」

俺のまわりで喋っていたやつらが、驚いて声をかけてきた。

「いや、なんでもねぇよ」

「絶っ対、うそだ!恋愛か?」

「この前、廊下で小田原さんとイチャイチャしてた!」

「うっわ、ずりぃ。マドンナを独り占めかよぉ。」

ふん、喜菜は、俺のもんなんだぞ。

「俺らさ、お前のために小田原さんのこと諦めたんだぜ?なのにクヨクヨしてちゃだめだろ~」

…そう言われても。

どうすればいいの?

「ほんと!そういうとこは、男から謝んないと!」

だって、なんて謝ればいいの?

本気でわかんないんだもん。

「ほらっ、そこに小田原さんいるぞ!謝ってこいよ!」

「ちょ…お前ら!」

いきなり席から立たされ、喜菜のいる方まで押された。

「小田原さーん、拓が話あるって~」

「…そうなの?何?」

やっぱちょっとそっけないなぁ、喜菜。

「あのさ…喜菜。じゃなくって!だぁ!もう!喜菜行くぞ。」

俺は、森本頑張れよーという声を聞きながら、喜菜を空き教室に連れ込んだ。

「ねぇ、いきなり何?」

「なぁ、喜菜。俺、ほんとごめん。」

「なにが?どぅゆうこと?」

「え、だから。俺、喜菜のこと北野とかにとられた気になってて。…だからその…つまり、嫉妬してたんだよ。」

喜菜、ほんとごめんな。

そんな理由で。

「なんだぁ。よかったぁ…」

「えっ、は?」

なにが一体よかったんだ?

俺、なんか勘違いしてた?

え、マジで意味わかんないんだけど。

「あの、意味わかんないんだけど?」

「私、さっき、藤岡くんに追い返されたでしょ。そっとしといてあげてって。」

もしかしてそれがイヤだったのか?

おい、なんてこと言ってくれたんだ、藤岡。

「だから、私以外の人好きになったのかなって、それを藤岡くんに相談してたのかななんてて、思っちゃって。」

思わず喜菜を抱きしめる。

「喜菜、可愛すぎんだろ。それ、俺のこと大好きって言ってるようなもんじゃねぇか。」

俺は、喜菜の顔は見えねぇけど、たぶん真っ赤っかになってるだろう。

「そうだ…けど…でもっ…ほんとによかった…」

「俺、お前のこと一生放さないから。」

「ふふっ、うんっ、よろしくね。」

…俺は、喜菜の頬にキスをした。