「はぁーい、お待ちかねのケーキでーす!」

ケーキは、ここみの手作りケーキ。

なんか、お菓子作りができるって、女の子らしくていいなぁ。

私も、いつか挑戦したい。

「じゃ、バースデーソング歌っちゃう?」

寺山くんは、半分冗談で言ったんだろうけど、ここみは、

「いいんじゃない?悠気たまにはいいこというじゃん!歌おうよ。」

と言っている。

「と、いうわけで!歌うよ!」

ここみが、言いきって、歌い出したので、みんなで歌う流れになる。

ふふっ、なんかこういうの楽しいよ。

幸せだなぁ。

愛する人と大親友、ちょっと気まずくなっていた、寺山くんともいい雰囲気になってきてるし、ほんと、幸せだぁ。

「喜菜、ろうそく消せよ」

「おぉ、雰囲気出るね!一発で!」

みんなに、のせられるがまま、私は、ろうそくを吹き消す。


「キャーッ、喜菜、おめでとぉー!」

ここみの機嫌は、MAXだ。

「あ、喜菜、これ、プレゼント」

「ちょっと、森本くん!そういうのは、二人っきりで、いい雰囲気になったところで言うんだよ!」

ここみは、なんだかんだいって、笑っている。

「ふふっ、拓ありがと。嬉しいっ」

「あのぅ、俺も小田原さんにプレゼントあるんだけど。はい、これ。」

拓は、寺山くんをにらんでるけど、妬いてるのかな?

かわいいなぁ。

「寺山くんも。ありがと」

「喜菜、私のはこれだよぉ。ほらっ。開けてみて!」

ここみから、ボックス型の箱を手渡される。

…これ、びっくり箱とかじゃないよね?

そう思いながらあけると、

「うわぁ、すごいっ!クオリティ高すぎ!」

出てきたのは、私とここみで写っている写真や、メッセージが書かれている、サプライズボックスと言われるものだった。

「頑張って作ったんだよ。エヘヘ」

「ありがと、ここみ大好きっ。」

「な、俺らのは開けてくれねぇの?」

「ふふ、拓、開けた方がいい?」

私、拓のプレゼントは、二人きりの時に開けたかったなぁ。

「いや、やっぱやめとく。あとで、二人っきりの時に開けて。」

拓も同じこと考えてたんだ。

なんか、以心伝心ってかんじ。

嬉しい。

「じゃ、俺のは、開けてくれるだろ?」

寺山くんのプレゼント。

なんだろう?

紙袋を開くと…

「ハンカチだぁ。かわいいね。ありがと。」

入っていたのは、花模様のハンカチ。

かわいいけど、ちょっと私の趣味とは、違う。

前に、拓にハンカチをもらったことがあったんだけど、そのハンカチはすごく私の趣味にあっていたから、やっぱり、拓は、私のことなんでもわかってくれてるんだなぁ、と嬉しく思った。

みんな、私のために色々なことしてくれて、ありがと。