ピーンポーン♪

「はい…」

喜菜の声だ。

「喜菜、俺。入れてよ。」

「うん…」

喜菜に玄関を開けてもらった俺は、喜菜の部屋にいる。

「ねぇ、何しに来たの? …もう私のことなんて、好きじゃないくせに」

は?

やっぱ、そう思ってたのかよ。

「喜菜のことちゃんと好きだから心配すんな」

そう言って、喜菜にキスをする。

真っ赤になる喜菜。

…かわいい。

「でもっ…、なんで、ここみとっ…」

やっぱ、それか。

「喜菜の誕プレ買いに行ってただけだから。だから、心配すんなよ…」

「でもっ…!北野さんがっ、仲良さそうでイチャイチャしてたって…」

北野?

だれ、そいつ。

女子だよな、クラスの。

「大丈夫だって。イチャイチャなんてしてないから。北野に、はめられただけだろ。」

「? どういうこと?」

「だ~っ、もう!わかんなんくていいよ!」

鈍感だ!

危険だ!

北野が俺を好きだってくらい、わかれよ!

喜菜のことが邪魔だからウソを吹き込んだに決まってんだろ!

「じゃあ…拓のこと信用する。」

「あぁ。ごめんな、不安にさせて」

「ううん、私が勝手に勘違いしてただけみたいだし。ごめんね。」

謝る喜菜貴重だ。

素直な喜菜。

かわいい。

「もう、大丈夫だから。」