《喜菜》
私…、北野さんに聞いてしまった。

ここみと、拓がショッピングモールに二人で行っているところを見た、と。

それを聞いたときは、絶望と不安が入り交じった感情だったけど…

今はどうしてっ、なんでって気持ちが強いかな。

「誕生日、祝ってもらえると思ってたのに…」

私、バカみたいだ。

一人で浮かれて、拓のこと、独り占めできたつもりで。

あぁあ、もういや。