《拓》
…喜菜の誕生日はどうしようか。

プレゼントは?

祝う場所は?

そもそも、家族で祝うとか?

あ~、わかんねぇ。

デートのあと一人で自分の部屋で喜菜の誕生日のことを考えた。

てか、今まで俺、喜菜ん家で普通に一緒に祝ってたし。

お、思い付いた!

俺天才かも。

桃山に聞けばいいんじゃん。

そういえば桃山もクラスのグループトークに入ってたはずだから、個人でも友達になれば、桃山に聞ける。

よしっ、桃山を友達追加して、よろしくと一言メッセージを送っておいた。

って、桃山既読早っ。

『森本くん、喜菜以外興味ないって感じなのに、珍しいね。どしたの?』

まぁ、喜菜以外興味ないのは事実だけど、今回も喜菜のためだし。

『いや、喜菜の誕生日三週間後なんだけど、どうすればいいかなと思って。』

返信すると、またもや既読が一瞬でつく。

『喜菜、誕生日は今までみたいに家族とじゃなくて、森本くんと一緒にいたいとは、言ってたけど、それ以外知らない、ごめん。』

いや、それだけで大情報だから。

俺、嬉しすぎだし。

『サンキュ、桃山。』

『うん、おやすみ。』

桃山って、喜菜を奪う存在だと思ってるところがあったけど、めちゃくちゃいいやつじゃん。

今度から、喜菜の相談は桃山にしよう。