ひと目でもいい。
例え貴方が、老人でもいい。
何度何度運命の神様に遮られても、生まれ変わったら、私は必ず貴方を見付けます。

新月の夜も、どんなに真っ暗な闇の中でも、貴方は私の月光。
どんなに姿を変えていようと、どんなに人に紛れ込んでいても、きっと貴方が分かると思うから……。


それでも迷った時は、笑顔でいる。
貴方が足を休めて(とめて)くれるような、思わず立ち寄りたいと思える明るい里になる。

その時は、また窓から来てくれる?
それとも、私達の最期の想い出の場所の海……かな?


この手紙は貴方に届かない。
これを書いた私も、もうすぐ全てを忘れてしまう。
逢いに行く、とか言って。この想いは、夢のように儚く消えちゃうのかも知れない。

でも、たくさんの試練を乗り越えて、もう一度逢えたら……。
その時、貴方と私が同じ気持ちだったら……。

『お前の夢は、俺が絶対に叶えてやる』

今度は、何があっても、最期まで一緒にいようね!

……
…………。

そして物語は……。
何の力も持たない元庶民のお嬢様と、月のように白金色の髪と瞳を持つ召使いの物語へ、続くーー。

【終わり】

※あとがきの後に、少しだけおまけとして(げつ)sideの番外編を用意しております。そちらもよろしければご覧下さいm(_ _)m