ワックスでツンツンたてた明るい茶髪。 耳に溢れるほどついたピアス。 三つ目まで開いたボタン。 そこから見せる十字架のネックレス。 かなり緩めたネクタイ。 人はそういう人を"チャラい"だとか、"怖そう"だとか、ヒドい時だとそんな格好してるだけで"不良"だとか言う。 実際、自分でも不良だと自覚してるから、別にいい。 俺 ―鈴鹿 大樹― は、今、駅前で彼女を待っている。