学会当日。

この前買ったスーツを着た亜妃。

うん、似合ってる。シンプルだけど、
涼しげで、できる女っぽく見える。
…中身はどうか知らねぇが。

「うん。これにして正解だな」

亜妃「そう?良かった。ありがとね、買ってくれて」

ふわっと笑う亜妃。

「いや、こっちこそ悪いな、付き合わせて。」

一緒に会場のホテルに向かう。
学会のあとそのまま懇親会があるから、電車で。

会場に着くとスタッフが準備をしている。

そんな中、京介が俺たちに気づいて近寄ってくる。

京介「亜妃ちゃん、今日はありがとね!
1日よろしく。」

亜妃「はい、お願いします」

京介「和弥は向こうでパソコンにデータ移して、
動画とかちゃんと流れるか確認してきて。
亜妃ちゃんはこっちで説明するから。」

そう言われて亜妃と離れて会場内に向かう。

スタッフにデータ移行をお願いし、スクリーンで
動画やスライドがきちんと映るかチェックする。
特に問題も無さそうなので控え室で時間を潰す。

学会が始まると、人が増えてくる。
研修医時代の仲間も結構来ていて、情報交換をしたり、
各々気になる発表を聞いて回ったり。

俺も発表を終え、午後からはやっと聞き役に
専念できる。