まさか、同伴者として名が上がっていたなんて。
「あの。夜会に同伴すれば、今後、本当に私を追い出しづらくなるのではありませんか?その、世間体とか」
「それは心配ない。婚約者に迎えたいって言っただろう?この際、国内外に大々的に発表しようか」
とんでもないセリフを口走る陛下。
好きになってくれるまで待つと言っていたが、公式の声明を出されたら断れなくなる。まさか、それが真の狙いか?
「へぇ、そんなとこまで話が進んでいたんですか。おめでとうございます」
ニヤッと口角を上げるドレイクさんは、ふたりの仲が順調だと認識したようだ。恥ずか死ぬので毎日口説かれつづけているのは知られたくない。
「陛下。隣国にはなんらかの企みがあるのかもしれませんが、あえて乗るのもひとつの手では?俺も付き添って良いのなら、デカいネタを仕入れてみせますよ」
そう言い切った情報屋の悪役顔に魅せられ、レウル様は納得したように頷いたのである。


