冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい


一瞬動きを止める陛下は図星だったらしい。居心地悪そうな主に向かってアスランはからりと笑う。


「毎回城に来る女性を遠ざけていたらかわいそうですよ。どうせまた一週間しか城に置く気がないんでしょう?少しは見合い感覚で話をしてみたらどうです?」


なるほど。昨日から話しかける暇もなく臣下達と交流していたのは、距離を置かれていたからだったのか。ふたりの会話から、今までの妃候補とも必要以上に接点を持たないように振る舞っていたことがうかがえる。

こちらを一瞥(いちべつ)した陛下に頭を下げた。


「おはようございます。私の名前は覚えてくださいましたか?」

「ランシュアだろう?名前くらいはな。だけどあいにく、それ以上君を知りたいとは思えないんだ。期限までは客人としてもてなすから、俺に近づかないでくれ」

「それは困ります。一週間以内にあなたに結婚相手として認めてもらわないといけませんので……」


すると、陛下はわずかに首を傾げて呟く。


「君は本当に俺を落とす気があるのか?」

「はい。私はあなたの元に嫁げなければ、生きている意味がありませんから」

「冗談にしては重い話だな。それは、俺に気に入られたいというより、政略結婚の相手として逃したくないという意味か?」

「はい。妃となる以上はそれなりの働きをしてみせます。あと、愛情はとくに求めていませんので、好きになっていただかなくても結構です」