男らしく凛々しい彼は、騎士達を束ねる立場であると納得がいく。好奇心旺盛でフレンドリーな性格らしく、新たな妃候補に興味津々な様子だ。
慣れないものの、距離感をはかりながら尋ねる。
「助けてくれてありがとう。その、クロウィド陛下はいつも訓練にまじっているの?」
「あぁ。ウチの主は自ら戦場に赴くから、公務の間をぬって顔を出してるんだ。自分の身も守れないようじゃ話にならない、とか言ってな」
完璧超人に加えてストイックなんて、人間であるのかどうかも疑ってしまう。
その時、アスランが大きく手を振った。
「陛下ー!未来の奥さんが来ましたよー!」
遠くで剣を振っていた影がピタリと動きを止めた。その顔は若干眉を寄せている。
騎士達に声をかけて訓練を抜けた陛下は、まっすぐこちらへ歩み寄った。アスランを上目使いで睨んでおり、今までのにこやかな笑みとはまるで違う。
「人がわざと避けているというのに、わざわざ呼び寄せるか?」
「ははっ!それはすみません。でも、剣が飛んだときに駆け出そうとしたくらいには、お嬢さんを気にかけているんじゃないですか?」


