「水、飲めるか?」
「はい。ありがとうございます」
こくこくと音を立てる喉。水分が体に染み渡る感覚にほっとしたらしい。
落ち着いた頃、完全に目が覚めた彼女へ声をかけた。
「朝食の前にシャワーを浴びた方が良いと思うけど、ランシュアはどうする?東棟の浴場は地熱で温められているからすぐに入れるぞ」
「あっ、いえ。私は部屋に戻ってシャワーを済ませます」
「一緒に入るのは恥ずかしいか?」
「いっ……、は、恥ずかしいです」
縮こまる彼女が愛おしい。
少しいじわるに構いたくなるが、昨日も勇気を出して頑張ってくれたのだ。彼女のペースに合わせて進まなければ。
「わかった。それじゃあ、服はそのまま貸すから、飲み終わったグラスだけ渡してくれ」
「あ、自分で片付けます」
飲み物や着替えの用意など、至れり尽くせりだと気にしている様子のランシュア。しかし、ベッドサイドから床に足をつけ立ち上がろうとした瞬間、かくんと前に倒れた。
とっさに体を受け止めるが、足に力が入らない姿に心が騒ぐ。よろめいてしまった彼女の顔は真っ赤だ。
もしかして、俺のせいで?


