おずおずとベッドに腰掛けると、クローゼットを閉めたレウル様がこちらへ歩み寄った。肩が触れるか触れないかの距離で隣に座られる。
「怖いか」
そう問いかけられ、首を横に振った。
きっと、初めて私を押し倒した夜に怯えられたのを覚えているのだ。『誘ってみせて』と言われ、戸惑うばかりだったあの日。そそられないと切り捨てられた夜とは違う。
でも、窓からの月明かりは思ったよりも眩しくて、この先を想像すると羞恥と不安でどうにかなりそうだ。
その時、すっと目の前に手を差し出される。
何かの合図?
意図が察せないまま手を重ねると、そのまま優しく握られた。
「俺の手、冷たいだろう?」
予想していなかったセリフだ。
たしかに、言われてみれば骨ばった指はひんやりとしている。思い返せばこれまで何度か手を繋いだが、いつもその手は冷たかった。
すると、色っぽく口角を上げた彼は、絡める指に力を込めた。
「すぐに触ったらびっくりさせるだろうから、少しだけこうしていようか」
「このままですか?」
「ああ。だから、俺の手がランシュアと同じ体温になるまでに心の準備をしてくれ」


