冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい


おずおずとベッドに腰掛けると、クローゼットを閉めたレウル様がこちらへ歩み寄った。肩が触れるか触れないかの距離で隣に座られる。


「怖いか」


そう問いかけられ、首を横に振った。

きっと、初めて私を押し倒した夜に怯えられたのを覚えているのだ。『誘ってみせて』と言われ、戸惑うばかりだったあの日。そそられないと切り捨てられた夜とは違う。

でも、窓からの月明かりは思ったよりも眩しくて、この先を想像すると羞恥と不安でどうにかなりそうだ。

その時、すっと目の前に手を差し出される。

何かの合図?

意図が察せないまま手を重ねると、そのまま優しく握られた。


「俺の手、冷たいだろう?」


予想していなかったセリフだ。

たしかに、言われてみれば骨ばった指はひんやりとしている。思い返せばこれまで何度か手を繋いだが、いつもその手は冷たかった。

すると、色っぽく口角を上げた彼は、絡める指に力を込めた。


「すぐに触ったらびっくりさせるだろうから、少しだけこうしていようか」

「このままですか?」

「ああ。だから、俺の手がランシュアと同じ体温になるまでに心の準備をしてくれ」