冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい



プロポーズの返事をすると、二度目のキスを奪われた。重ねられるたびに熱を帯びていく。

薔薇の香りに包まれた庭はふたりだけの花園。

気持ちのこもった口づけは、くらりとするほど甘くて、なにも考えられなくなる。


ずっと愛を知らずに生きてきて、心が空っぽのままだった。決められたレールの上を進むだけの人生だと疑いもせずに城に来た。

孤独に慣れていた陛下は、必要以上に近づこうとする人間を容赦なく言葉の刺で刺し、感情を偽る仮面を外してくれない。ビジネスの関係以上にはなり得ないし、違う世界に生きる人だと思っていた。


でも、秘密を知った瞬間から、お互いが特別になった。

レウル様がくれたものが、私の全てになった。

ずっと隣で生きていきたい。


もう、私たちはひとりじゃないから。


「離れがたいな」


キスの合間に、とんでもないセリフが聞こえた。

無意識に呟いたのだろうか。

熱っぽい視線と背中に回る腕の強さに、その意味を察せないほど鈍くはない。


「部屋に連れ帰ってもいいか」