プロポーズの返事をすると、二度目のキスを奪われた。重ねられるたびに熱を帯びていく。
薔薇の香りに包まれた庭はふたりだけの花園。
気持ちのこもった口づけは、くらりとするほど甘くて、なにも考えられなくなる。
ずっと愛を知らずに生きてきて、心が空っぽのままだった。決められたレールの上を進むだけの人生だと疑いもせずに城に来た。
孤独に慣れていた陛下は、必要以上に近づこうとする人間を容赦なく言葉の刺で刺し、感情を偽る仮面を外してくれない。ビジネスの関係以上にはなり得ないし、違う世界に生きる人だと思っていた。
でも、秘密を知った瞬間から、お互いが特別になった。
レウル様がくれたものが、私の全てになった。
ずっと隣で生きていきたい。
もう、私たちはひとりじゃないから。
「離れがたいな」
キスの合間に、とんでもないセリフが聞こえた。
無意識に呟いたのだろうか。
熱っぽい視線と背中に回る腕の強さに、その意味を察せないほど鈍くはない。
「部屋に連れ帰ってもいいか」


