**
一週間後。
執務室の椅子に腰掛けるのは、無事に退院したレウル様だ。その側で、ドレイクさんと私が控えている。
やがてノックの音が響き、部屋に入ってきたのはダルトンさんだった。険しい顔のアスランが、ぴったりと背に付いている。
「こんな厳重に警戒しなくても、逃げも隠れもしませんのに」
そんな小言を垂れた叔父に、レウル様は感情を悟らせない表情を浮かべた。
「わざわざ呼び出してすみません。数分で終わりますので、構えないでください」
「はっ、今さら下手に出なくたってかまいませんよ。私を憎んでいるはずでしょう?」
陛下は、否定も肯定もしない。
数秒の沈黙の後、青い瞳が細まる。
「今日はダルトンさんにお渡ししたいものがあってお呼びしました」
「渡したいものだって?」
「えぇ。……ドレイク。手袋を貸してくれないか」
声をかけられ、ドレイクさんは手につけていた黒手袋をするりと脱いだ。「仰せのままに」と手渡すと、レウル様は器用に肌を隠す。
一体、なにをするつもりなの?
一週間後。
執務室の椅子に腰掛けるのは、無事に退院したレウル様だ。その側で、ドレイクさんと私が控えている。
やがてノックの音が響き、部屋に入ってきたのはダルトンさんだった。険しい顔のアスランが、ぴったりと背に付いている。
「こんな厳重に警戒しなくても、逃げも隠れもしませんのに」
そんな小言を垂れた叔父に、レウル様は感情を悟らせない表情を浮かべた。
「わざわざ呼び出してすみません。数分で終わりますので、構えないでください」
「はっ、今さら下手に出なくたってかまいませんよ。私を憎んでいるはずでしょう?」
陛下は、否定も肯定もしない。
数秒の沈黙の後、青い瞳が細まる。
「今日はダルトンさんにお渡ししたいものがあってお呼びしました」
「渡したいものだって?」
「えぇ。……ドレイク。手袋を貸してくれないか」
声をかけられ、ドレイクさんは手につけていた黒手袋をするりと脱いだ。「仰せのままに」と手渡すと、レウル様は器用に肌を隠す。
一体、なにをするつもりなの?


