頭が追いつかなかった。
ルイスさんが、本当の父親?
まさか。だって、陛下は先代の王とシャーロットさんの間に生まれた子どものはずだ。
レウル様も理解ができないように写真を見つめていた。
城の書斎で初めてシャーロットさんの写真を見たときは、笑った顔がよく似ていると感じた。しかし、手元の写真に写るルイスさんは、それ以上にそっくりだ。疑いようがない。
「とても信じられない。これは、なにかの間違いじゃないのか?」
「いえ。情報を追加するなら、血液型がわかりやすいでしょうか。シャーロット様はA型、そしてルイス様はB型なのです。……つまり陛下は父親の血を引いてB型になったというわけですな」
レウル様が瀕死の状態になった時、ダルトンさんは、先代の王や王妃と異なる血液型を持つ甥は愛人の血を引いていると主張していたが、実際はそもそも別の父親の遺伝だったということか?
動揺しながらエルネス大臣に尋ねる。
「父親がルイスさんなら、なぜレウル様は城に引き取られたのですか?それに、先代の王がわざわざ愛人との子どもだなんて嘘をついた謎も解けません」
「えぇ、そのような疑問を持たれるのはごもっともだと思います。ここからは、傍観者として私の知る全てをお話ししましょう」


