冷酷陛下は十三番目の妃候補に愛されたい


迷いなく頷くと、やりとりを聞いていたアスランが勢いよく吹きだした。


「あはははっ!利用する気満々か!しかも、才色兼備な陛下にこれっぽっちも興味がないときた。こんな潔い妃候補は初めてじゃないですか?」


一気に興味を惹かれたらしい騎士団長をよそに、クロウィド陛下は相変わらずクールな顔つきをしている。


「残念だけど、俺は遊びで付き合うつもりも、同情で妃に迎える気もない。部屋で過ごすのが退屈なら庭園の草むしりでもしたらどうだ?」


なんという雑な扱い。遠ざかる背中は非情にも城内へと消えていく。

これがニコニコ陛下の本性?

顔をしかめていると、ツボに入った様子のアスランが肩を揺らしながら口を開く。


「誰に対してもああだから気にしない方がいいぞ。優男の外見に油断して返り討ちに遭う奴は山ほど居るからさ。……さすがに名家のご令嬢に草むしりはさせらんないよなぁ。せっかくなら訓練を見ていくか?」


心遣いに感謝したものの、覚悟を決めて返事をした。


「いいえ、大丈夫。草むしりは慣れているから」

「うん?」